【人事の話】人事って何?

例えばアメリカに旅行に行くと、たいていの場合入国審査で職業について尋ねられます。旅行ガイドには回答例として"Office Worker"が載っていますが、「事務職はわかったが、どんな仕事をしているんだ」と突っ込まれることもしばしば。そこで"I'm an HR Manager."と答えると、即座に理解してくれる管理官もいれば、「HR=人事」がピンとこない人もいます。

さて、じゃ人事って何をしている人たちなのでしょう? 人事には大きく分けるとふたつの機能があり、そのひとつが人材開発です。「組織開発」「OD(Organization Develoment)」と呼ばれることもありますが、要は外部から優秀な人材を採用する仕事と、既存の社員の実力をトレーニングなどによって引き上げていく仕事です。実際のところ、その目的のために業績不振者に手を打っていくこともあります。

もうひとつが給与厚生で、「C&B(Compensation & Benefits)」とも呼ばれます。毎月の給与計算や保険事務、評価制度や人事規程の構築・改定、昇給管理などを担当します。大きな会社では新しい仕組みを作ったり、改定したりする仕事を「企画チーム」として分けています。

この他に、やはり大きな会社では「事業部担当」「HR Representative」「Business Partner」と呼ばれるチームがあって、それぞれの収益体や部門ごとに部門の人事的な問題を解決したり、その部門に対して制度導入を徹底していくことをミッションとするチームがあります。前の3つが「スペシャリスト」なのに対し、このポジションは「ゼネラリスト」、つまり人事に関して何にでも精通していないとできないのです。難しいけれど達成感も大きく、人事を希望する若手社員がよく口にする「人と接する仕事」に一番近いのがこれです。その分、他人の悩みを抱え込まざるを得ないことも多く、ストレスもたまりますけどね。