【人事の話】こんな人事が欲しい

僕も自分の転職を考えるときには、人事担当者として培ってきた経験のうち、何をアピールしようかということを考えます。給与制度を導入した、早期退職制度を問題なく実行しました、M&A案件に参画しました… 人事担当者としては、それなりに多様な経験を積んで来ているとは思います。しかし、採用する企業側でどんなスペックを求めているかは、まったく別の話。採用のプロが欲しい場合もあれば、組織の立て直しに関わって欲しいということもあります。

あるとき人材紹介エージェントの人から聞いた話なのですが、人事マネージャーの候補者を探している某社では、社長が自分の右腕として活躍してくれるような人材を求めていたそうです。その社長は、自社の組織にいろいろと不具合が発生していることには気づいていながら、そんな情報がダイレクトに入ってこないことにフラストレーションを感じていたようなのです。

そんな社長が出したたったひとつの条件は、「社員が気軽に相談しに行ける人事マネージャー」。僕はその話を聞いて、こんなスペックを求める社長がいるということに意外な思いを抱きつつも、この社長の下で働いてみたかったと思いました。残念ながらこの話を聞いた時点では、すでにこのポジションは埋まってしまっていたのです…