【川崎-大分】つぶせない時間

2度のリードを守りきれずに引き分けた。シャムスカには判っていたはずだ。このチームは守りに入ってしまうと一気にほころびを見せてしまうことを。なぜなら、彼が前任の皇甫官監督から引き継いだときのチームがまさにそうだったからだ。

今日の大分は、1対1の局面で気持ちでもフィジカルでも負けずに、いいリズムを作っていた。しかし、2度のリードのリズムを崩したのは、間違いなくベンチの采配だった。15分近くを残しての梅崎→西山の交代は、選手には「守り切れ」というメッセージになったはず。そして選手たちは、時間稼ぎにも見えた負傷の場面から、集中を切らしてしまう。

2度目は、最後の最後のワンプレーがセットプレーだというのに、あえて鈴木を三木に代えた。この時間つぶしも、また裏目に出てしまったのだ。選手のミスを帳消しにするベンチは頼もしいが、せっかくのいい流れを自ら捨ててしまう監督なら不要だ。

<GK>下川:6.5(今日は素直に評価しよう)
<DF>深谷:6(ジュニーニョをうまく消した)、森重:6(ラインを高く保つも、攻めに不満)、藤田:5.5(足をとられる場面が気になる)
<MF>高橋:6(右サイドをうまく基点に)、エジミウソン:6.5(攻め上がりに迫力)、ホベルト:6(視野広い)、鈴木:6(縦の突破で存在感)、梅崎:6(前半は前線でポイントになった)
<FW>高松:5.5(ポストに収まらず)、山崎:6(足元で受けては持ち味出ない)
<SUB>西山:6(コントロールの効いたシュート)、松橋章:6(短い時間ながら飛び出し見せる)、三木:評価なし
※河原、金崎、根本、前田は出場せず
<監督>シャムスカ:5(采配ミスで勝ち点2を逃す)

しかし、川崎相手に2点を奪ったことは評価できる。最後の失点を、さらに次節以降の糧にしてくれれば、この引き分けは大いに意味のあるものになるだろう。守ってはダメだし、時間つぶしは大分には似つかわしくないのだ。攻めて、前に出ることで活路を見出していくべきだ。