【広島-大分】負けるべくしての敗戦

このゲームではっきりしたことがいくつかある。それらを解決していけばまだ上向く可能性はあると思うが、それができない、あるいは首脳陣が気づいていないとすれば大分はもう終わりだろう。今日は負けるべくして負けたのだ。

①守備ラインが深すぎる
DFとGKの信頼関係がないから、どんどん守備位置が下がる。下川はあんなロングシュートを決められておいてDFに檄を飛ばしても、それは説得力がないというものだ。西川と三木の復活なくして、大分の浮上は望めない。

②パススピードがなく、トラップが下手
これは致命的だ。狙いはよくても、つなぐのにワンテンポ、ツーテンポ遅れるために詰められてしまう。ビッグアーチのピッチ状態も悪かったが、そんなことは言い訳にはならない。しかも、余裕があるときにボールを下げ、相手が多いエリアに無理に出すパスが多すぎる、これらはサッカーセンス、試合展開を読む力の問題だ。

③ボールへの寄せに気持ちが入っていない
広島の選手がボールを取る気満々だったのに比べて、大分のプレーは特に球際で淡白だった。運動量が多いか少ないかではなく、その質の問題だ。失点の多さはGKやDFだけの責任ではない。前線から中盤の選手が本気でプレーしていないから、後手に回っているのだ。

<GK>下川:4(あのロングシュートは止めないと)
<DF>深谷:5(コンディション悪い)、森重:5(ライン深すぎ)、上本:5(2点目のコース空けた)
<MF>高橋:5.5(サイド攻撃できず)、エジミウソン:5.5(攻撃の基点になれず)、藤田:5(攻守に雑)、鈴木:5(使い方が違う)、梅崎:5(球際が淡白)、根本:5(役割が不明確)
<FW>高松:5(気持ちで負けていた)
<SUB>前田:5.5(姿勢はよいが、テクニック不足)、金崎:5.5(もっと前でプレーを)、松橋章:評価なし
※河原、三木、ホベルト、西山は出場せず
<監督>シャムスカ:4.5(どんどん悪くなっている)

スカパーの中継によれば、シャムスカは「鈴木にいったんボールを預けろ」と指示を出したそうだが、鈴木慎吾はサイドを突破してこそ本領を発揮する選手だ。本当にシャムスカがそのような指示を出したのだとすれば、鈴木慎吾は永遠に大分では活躍できないだろう。それに根本と鈴木の共存も、4バックにしない限りは無理だとわかったはずだ。迷走はもういい。指揮官は、早く方向性を見つけ出していただきたい。