【都知事選】都民の良識

タイトルに書いた「都民の良識」とは、石原慎太郎の勝利のことを指しているのではありません。石原慎太郎浅野史郎の準備態勢や資質を考えれば、この結果は妥当だとは思います。吉田万三共産党票を固めて3位に入ったこともうなずけます。しかしそれ以上に僕が注目していたのは、黒川紀章が何票集めるかということでした。

建築家としては著名でも、政治家として何ができるかは未知数。しかも生活水準は庶民のそれからは明らかにかけ離れていて、誰のために何をしてくれるのか、その感覚がまったくつかめませんでした。告示後は、対立候補の演説にチャチャを入れてみたり、下手な歌で自己満足してみたり。マスコミが選挙戦を盛り上げるために「有力候補」に仕立てたものの、実態はドクター中松桜金造と同列の泡沫候補でしかないはずだったのです。

結果として15万9000票という数字に、僕は都民の良識を感じたのです。そのまんま東こと東国原英夫・宮崎県知事の方がはるかにまともに見えるくらいの「B級感」を漂わせた黒川氏に、約16万の都民は何を期待したのでしょうか? 消去法にしても黒川氏が残る理由が、僕にはよくわかりません。