【人事の話】採用の意思決定

これはあくまで僕の個人的な印象なので異論がある方もいると思いますが、外資と日本企業の違いのひとつに「人材への執着」があると感じています。日本企業であるポジションに欠員ができて募集をかけると、たいていは集まった候補者の中で一番よかった人を採用することになります。

でも外資の場合は、いい候補者がいなければ何ヶ月でもそのポジションを空けておくことが多いのです。逆に言うと、「もっといい人がいるはず」という貪欲さが、外資にはあるということですね。特に一部の外資では、日本国内では知名度がなくても世界的には超一流企業というケースもあり、そんな場合は「ちょっとやそっとの人材では納得しない」という高望み傾向になります。

このような「空けて待っている」状況でよい候補者が現れると、今度はかなりのお金を積んで獲得しに動きます。当初の予算が600万円でも、特別に承認を得たり新たにポジションを作ったりして候補者を採用しようとするのは、たいてい外資です。日本企業では「例外」は好まれませんし、予算を上回ってまで採用しようという気概まではないことが多いです。外資はそれだけ「組織が柔軟」ということの証でもありますが…