やはりというべきか、決勝トーナメントに進めずに惨敗した世界バスケの日本。開催前から僕が指摘していたように、その予兆は十分にあった。まず、田臥勇太を含む代表を発表した上でチケットを販売し、第一次販売を終えた後にこぞって田臥ら中心選手が辞退した。この時点で選手と協会の意思が合っていないこともわかるし、チケットの販売もまるで詐欺まがいだ。
前にも書いたが、TBSのキャンペーンも外していた。TBSはちょうど亀田興起の世界戦を控えていたため、バスケに本腰を入れたのはその後。選手をアイドル化させる戦術がハマっているフジのバレーボールや、川平のテンションで押し切るテレ朝のサッカーに比べ、世界陸上の織田裕二でもわかるようにTBSは盛り上げ方がうまくない。そこへもってきてバレーボールとかぶり、放送も深夜と、まるで勝ち目のない戦いだった。
ここまで環境が悪いと、選手やパブリセビッチの責任だけを問うことはできない。さらには初戦のドイツ戦はスコアだけ見れば善戦だったが、ゲームを見ていれば２Q以降のドイツが手を抜いたのは明らかだ。あのゲームを見て「日本は期待できる」と煽ることしかできないマスコミのレベルの低さが、この国のスポーツ文化を腐らせているように思えて仕方ない。
バスケで一流国の仲間入りはもくろむのは何十年も早いし、まだまだやるべきことはたくさんある。プロリーグを２つも３つも作って、仲間割れしている暇などないはずなのだ。
