【トリニダードトバゴ戦】闘志と運動量

ワクワクした期待感に満ちた90分だった。終盤は雨と疲れと選手交代でやや不完全燃焼だったとはいえ、オシムジャパンの初戦としては十分合格点だろう。ゴールを決めたのがジーコ時代には賛否がくっきり分かれた三都主だったことは、実に興味深い。不慣れな守備から解放された彼は、攻めのアクセントになっていた。小林大悟中村直志と坂田はちょっと地に足がついていない感じだったが、今後への期待は持たせてくれた。

不満だったのは、我那覇と駒野だ。我那覇はポストになることに意識が行き過ぎて、後ろを向いてしかボールに触れられなかった。また、サイドからのクロスに対するジャンプのタイミングが、ことごとくズレていたことも気になる。駒野は攻めではいい絡みを見せるのだが、最後の最後が甘い。一方、守りでは簡単に振り切られてしまう。この二点は、まさにドイツ・ワールドカップのオーストラリア戦で露呈してしまった彼の欠点そのもので、何も改善されていなかったのだ。

全体的に攻める意識、前線からの守備については徹底されており、運動量という意味でもオシムの狙いはできていたように思う。それ以上によかったのは勝つ意識だ。闘志と言ってもよいだろう。それは試合に勝つというだけではなく、1対1で相手に勝つということも意味している。特に闘莉王、隼磨、達也の田中トリオに顕著に見られたのは偶然だろうか。来週のイエメン戦が、ますます楽しみになってきた。