【人事の話】人事はプロフィットセンター

企業は決算をするための会計、税金を計算するための会計のほかに、経営者が自社の儲けの構造を把握するために使う「管理会計」というものがあります。たいてい、商品や部門ごとにコードが振られていて、例えばAという商品だったらいくら売れて、コストがいくらなので、結果としていくら利益が出ているかがわかるようになっているのです。

さて、人事は管理会計ではコストセンター、つまり儲けを生まずに経費だけがかかる部門として見られるのが一般的です。でも、人事に携わる者として、そういう発想で良いとは僕は思わないのです。公開企業はいかに儲けを出して株主に還元するか、あるいはビジネスの成長に投資を回せるかが重要。とすれば、人事もその企業の「儲けの構造」を理解して、それを最大化していかないといけないのではないでしょうか。

具体的には、良い人材を採用することでビジネスの成長を促進したり、あるいは業績を上げている社員が「辞めよう」と思わずに長く働いてくれる環境を作ったり、個々の社員のやる気を引き出すような報酬精度を導入したりと、やることはいくらでもあるのです。それをちゃんと、ビジネスの成長と企業の儲けという視点で、押さえているかどうかが重要だと思っています。