【WBC】大塚・三振狙いの意義

こういう展開になると、必ず出てくる議論がある。「勝率の一番高い韓国が決勝に出られないのはおかしい」というものだ。パ・リーグプレーオフでも何度も言われていることだが、「後出し」でなく最初からそういうレギュレーションで試合をやっている以上、準決勝に出て、そこで勝ったチームが決勝に出るのが当然だ。何も恥じ入る必要はない。

さて、今日の日本の勝因は投手だろう。上原のテンポのよいピッチングは小気味よく、打たれる気がしなかった。薮田のコントロールも、相変わらず完璧。そして、去年までの地元に登場したクローザー大塚である。アウトを全部三振で稼ぐ。意味のないことではない。チームの士気も高めるし、何よりペトコパークの観客を楽しませ、世界中でテレビ観戦している人たちに日本野球の魅力を伝えたに違いない。決勝で日本を応援してくれる人が、これで増えたのは間違いない。

キューバは一番良い投手を今日使ってしまっている。決勝は松坂先発となれば、リリーフ陣につなぐ前にもうひとり必要だろう。しかし、日本には清水もいれば、和田もいる。序盤で主導権を握れば、世界一は見える。韓国戦でつながった打線が、その感触を忘れずにもう一試合戦って欲しい。