【オリンピック野球】星野采配を読み解く

北京オリンピックの野球は、4試合を消化して2勝2敗だ。素晴らしい成績ではもちろんないけれど、悲観するような経過でもないと思っている。前回のアテネ大会では予選を1位で通過し、結局準決勝でオーストラリアに敗退してしまうのだが、当時の監督代行・中畑清は「予選1位ならば、以降の戦いが有利になると思っていた」と発言している。予選1位は準決勝で予選4位と対戦するというだけのことなのだが、こんな簡単なルールすら正しく理解するリーダーがいなかった日本代表は、金メダル獲得のチャンスを逃してしまった。

それに比べると、星野監督は準決勝を最大のヤマととらえ、そこから逆算して投手起用を決定したと聞く。つまり、最終的にはキューバと韓国(メジャーリーガー不在のアメリカは、決して強豪ではない)に勝たなければならないが、それは準決勝と決勝で良いということだ。キューバ戦は初戦だっただけに、完全に手の内を隠すというわけにはいかなかったようだが、韓国戦では藤川と上原を使わずに済んだし、負傷の西岡(川崎も同様だが、彼の起用は厳しいかもしれない)も代走のみで済ませた。

何を言いたいかというと、韓国戦で星野監督は「何が何でも勝ちに行く」ことを選択しなかったということだ。先発の和田を引っ張ったのも、リリーフが川上と岩瀬だったのも、計算づくだということ。星野監督が勝つ采配に行けば、こうは行かない。彼を信じて、任せよう。