ニューヨーク・バーク・コレクション展

上野の東京都美術館で開催されているこの展覧会は、アメリカ人の資産家にして日本美術のコレクターとして知られるメアリー・バーク夫人のコレクションを公開するものです。2000年のニューヨークに続いて、今度は作品の故郷である日本への巡回となりました。ポスターには「琳派」とも書いてあり、シンプルな中に一点の色彩が印象的な琳派の屏風絵が見られるのではと、期待して見に行ってきました。

さて、展示を見た印象は「バーク夫人は、趣味が良くない」というもの。もっと言えば、これが日本美術の真髄だと思って欲しくないような作品なかりでした。おそらく彼女の趣味は「曼荼羅」に代表されるような世界をパノラマで表現したものではないでしょうか。仏像や書画などもありましたが、大半は屏風絵で、しかもそれらはインドの細密画風であったり、中国の模倣に近いものであったりと、日本を代表する作品とは感じられませんでした。

そうは言っても、酒井抱一の「桜図屏風」や伊藤若沖の「月下白梅図」、仏像では快慶の作と言われる「不動明王像」と「地蔵菩薩像」は見ごたえがありました。ただ、琳派を堪能したいなら、日比谷にある出光美術館の常設展示の方がよいでしょう。

バーク・コレクション展 → http://www.nikkei-events.jp/art/ny_tokyo.html
出光美術館http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkantop.html