【トヨタカップ】ベニテスはベストを尽くしたか

サンパウロのMFミネイロが巧みにDFラインを破って飛び出したゴールで、ゲームは決まってしまった。しかしながら、リバプールの名将・ベニテスは、果たしてこのゲームの采配でベストを尽くしていたのだろうか。同じスペイン出身のモリエンテスルイス・ガルシアを起用し、彼らは決して悪くなかった。とは言え、準決勝で見せたリーセからシセ、そしてクラウチのゴールという見事な連携に絡んだ3人をことごとく先発から外した。それはまるで、準決勝はサブ組で勝ったんだと言わんばかりに。

終盤、クラウチにロングボールという手法は定石ではあるが、彼が流れを変えられる選手かと考えると疑問符がつく。シセの強引さを封印から解き放つという賭けの方が、この場面にはふさわしくはなかっただろうか。

さて、このトヨタカップ中継を見ていて、シドニーFCアルイテハドのユニフォームの広告がシールで隠されていたことに気づいた。どうやらこれはFIFAの規定である「ユニフォームのシャツには広告を3つ、パンツには1つまで」に合わせるための措置のようだ。イテハドのパンツには両サイドに同じ広告が入っていたようだから。しかし、シドニーFCの場合はもしかしたら、Aリーグ(豪州リーグ)スポンサーであるヒュンダイの広告を、トヨタへの配慮で隠したものかもしれない。サッカー界も結局は金と政治からは逃れられないのだ。