NHKのEテレで放送された「小学校~それは小さな社会」は、山崎エマ監督を筆頭に国内外のスタッフが作り上げたドキュメンタリーとして公開された作品だ。公式サイトには「私たちは、いつどうやって日本人になったのか? ありふれた公立小学校がくれる、新たな気づき」という表現がある。
前の日に録画していた映画「ありふれた教室」を見たところで、ドイツの学校と対比してみると、その違いがよくわかる。教師は子どもたちに寄り添い、成長を促そうと積極的に関与する。いわゆる学校教育に留まらず、社会教育の領域にも踏み込み、社会の一員として育成するために掃除や配膳、下級生の世話まで子どもに担わせる、もちろん、すべての学校で同じレベル感で教育がなされているとは思わないが、自分の経験を踏まえても、このような教育が実際に日本で行われていることは間違いない。
ドイツの中学校では生徒を一人前の個人として扱っていたように感じたが、日本の小学校は年齢が幼いこともあるのだろうが、足りないところを指摘して引き上げようとする。それで傷ついたりトラウマになってしまうこともあるだろうが、この作品が言うように「社会性を身に着ける」上では重要なポイントなのだと思う。
社会性という領域で、他人が自分の期待するレベルに合った行動をしてくれないときに正義感の強い子どもは反発し、時に攻撃的になる。それは自分のことを言っていたりもするのだが、けんかっ早いとか人付き合いが悪いという評価を受けがちだ。
社会性と同調圧力はまた別の話で、そのあたりの違いも理解し合えないままクラスという集団が対立してしまうこともある。この作品の舞台となる世田谷区立塚戸小学校の教員たちは連携し、お互いに厳しいことも言い合って高い理想を実現しようとする。子どもたちにとってはよい環境だと思うが、教員自身にとってはハードルの高い職場だろう。熱い思いだけではやっていられない崇高な仕事なのだと、感嘆しないわけにはいかない。