【コミック】あさドラ(8)

なかなか8巻が出なかった浦沢直樹の「あさドラ」。ようやく昨年末に出たものの、他の書籍を読む時間を優先させたので、2月に入ってようやく手に取った。主人公浅田アサとヨネちゃん、ミヤコちゃんのトリオがいい感じでそれぞれの道を歩み始めて、期待も盛り上がったところで一気に時間軸が跳躍してしまったことが残念だ。

謎のシンガーの登場と「It's Because I Love You」という曲がフィーチャーされて、新たな展開につながるところで終わってしまうのだが、もう少し高校生年代をそれぞれに生きる姿を描いて欲しかった。物語の本筋からは外れるプロットなのだろうが、怪獣よりもアサの成長がテーマだと思うので、もう少し見せてくれてもよかったように感じる。先を急いでいるように見えるのは、紙面の都合か浦沢本人に何かが起きているのか、気になって仕方がない。

ちなみに、先日ある人とのメールの中で浦沢の話題になったので、「あさドラ」の続きを楽しみにしていることを伝えたところ、相手はテレビ番組と勘違いしてしまったようで、軌道修正も面倒くさかったのでそのまま流してしまった。口語では特に誤解を招いやすいので、少なからず作品が損をしているような気がするのは残念だ。