勝てなかったというよりも、よく追いつけたというゲームだった。特に前半は相手のタイトなマークに苦しみ、伊佐にも野村にもボールが収まらない状況。それでも何度かチャンスは作ったのだが、ポストに嫌われれたり熊本GK田代の攻守にあったりでゴールにつなげられなかった。そんな中で、ディフレクション絡みの失点という悪い流れに陥りながらも、何とか中川のゴールで追いついたことはチームとしての進化の証と言ってよいだろう。
ただし、伊佐のポストがまったく機能していないにも関わらず、84分まで引っ張ってしまったことには疑問が残る。僕が監督なら、遅くとも後半15分までには伊佐をサムエルに代え、中川を下げて保田を入れることで中盤の厚みをつけていたところ。まあ、中川がゴールを挙げてしまったので、僕のプランでは追いつけなかったかもしれないが、流れを変えるにはこの方がよかったと思う。野村が試合後のコメントで、後半は長いボールを使うようにしたと言っているが、西川のフィードがあまりにもひどすぎて、何度も相手GKにそのまま渡ってしまっていたことは大きな反省点だ。サムエルは短い時間ながら、十分にボールが収まっていたのだから、もっと早く起用すれば西川も出しどころができていたはずなのだが…
失点の場面は、マイボールのスローインをあっさりロストしてしまったことが起点になったが、スローインを受けるために寄った選手が多すぎて、ゴール前を手薄にしてしまったことが要因だ。茂の裏は危険な状況になっていたが、彼が前に行く反面、藤本のポジションが低すぎて突破に絡めないことも多かった。このゲームプランなら左ワイドは高畑を選択すべきであって、人選もミスキャストだったように思う。
