【ドラマ】カピタニ

ルクセンブルクのドラマで犯罪捜査を主軸に展開するが、そもそもルクセンブルクに関する知識がほとんどないので、その意味で新鮮だった。シーズン1は田舎の村、シーズン2では都会が舞台となるが、都市部はヨーロッパの地方都市という感じで、すさんだ雰囲気がいかにもという印象だ。娼館で仕事をする女性はブルガリア出身で、ナイジェリアから来た兄妹の再会の場となるが、合法か違法かを問わず移民の問題が避けては通れないということが、よくわかった。

今のヨーロッパはトルコやシリアからの移民があふれているが、移民なしには社会が回らない。それは、日本の状況にも重なって見える。公式には移民を受け入れていないものの、訓練生という名目もあるし、アジア系のコミュニティもかなりの数がある。おかげでエスニック料理店が増えて、おいしい料理が手軽に食べられるのはありがたいのだが、「公式」な存在ではないだけに問題を先送りにしているだけなのだ。ルクセンブルクの現状はドラマでしか窺い知れないが、類似点は少なくないように感じた。

主人公カピタニは、かつてトラブルに巻き込まれて刑務所に服役するという設定なのだが、「収監後に証拠不十分で釈放」という理屈がよくわからなかった。これが現実の枠組みなのだとしたら、日本とはかなり違う司法体系ということになるし、証拠不十分で収監されて周りから「前科者」として見られるとしたら、かなりひどい制度だと思う。