【北京オリンピック】男子モーグル

モーグルの経験はなくても、スキーヤーならばコブに乗り上げた後のリカバリーが簡単ではないことはよくわかる。男子モーグル決勝での堀島行真はファーストエアの後でバランスを崩したが、この時点で僕は「ダメだったか」と思っていた。ところが、堀島はここから体制を立て直したばかりか、意図せず乗ってしまったスピードを生かしてタイムポイントも稼いでしまう。そして、セカンドエア。これも見事に決める。技術の素晴らしさに加え、あきらめない不屈の思いがあってこその滑りだった。

この時点で十分金メダルを狙える81.48というポイントを挙げたが、さすがにオリンピックは甘くなく、キングズベリーが意地を見せれば、バルベリは序盤から攻めまくって堀島を上回った。ポイントの内訳をみる限り、堀島はターンで稼げなかったことが要因なだが、これはコブに乗り上げてバランスを崩した影響なので、致し方ないだろう。その状況の中で挙げた最善のポイントだったのだから。

フリースタイルスキーを見る機会はあまりないので、このオリンピックで楽しみたいところ。今夜の女子モーグルはもちろんのこと、スキークロススロープスタイルも面白そう。冬季オリンピックは、夏季とは一味違った楽しみ方ができる。日本人選手の活躍だけを期待したのでは、もったいない。