【ドラマ】ダーク Season-1

子供の失踪事件を起点に展開する時間を超えたミステリーで、「33年周期」で発生する事件がカギになっている。この33年とは、太陰暦太陽暦のズレが一巡する期間ということで、科学的にもある程度説明できるもののようだ。時間の超越を扱う場合、超えた先の時間での関わりはタブーとされることが多いが、本作ではそこで関わることで人間関係が複雑になり、複数の関係性が生まれることがポイントだ。

ただ、そのせいで関係が複雑すぎ、登場人物が多いこともあって、誰がいつの時代の誰なのか理解し切らないうちにシーズン1が終わってしまった。2019年と1986年の間で始まったストーリーに1953年が加わると、理解はかなり難しくなる。1986年といえば僕の好きな80'sロックの全盛期なので、聞き覚えのある楽曲が登場するのはうれしいところ。やはり時代を表現するには、音楽と自動車は必須なのだ。

ドイツの製作ということもあって、キャストは地味目。舞台となるドイツの田舎町もは、原子力発電所があるという特徴を除けば極めて地味だ。登場人物が警察や学校など、地方の社会インフラに勤務しているあたりも、いかにも地方都市にありがちな設定でリアリティを感じる。序盤のわかりにくさを乗り越えると、わかりにくいながらも面白さが増してくるので、少しの我慢が必要だ。