【ドラマ】レコニング ~深淵をのぞく者~

このドラマの第一印象は「暗さ」。最初のエピソードで登場するビーチはどう見てもスティーブン・キング作品のような東海岸の寒々しいイメージなのだが、実はカリフォルニアなのだ。映像が全体的にシェードがかかったように暗く、俳優陣も地味なので、淡々と陰鬱な中でストーリーが展開する。犯人をある程度明示して進むので、事件の庇背後に何があるのかが見る者にとっての興味になるが、この暗さに打ち勝つのは容易ではないだろう。その世界観は、まるで北欧かオランダのドラマのようと言えば伝わるだろうか。

登場する子供たちは、なぜか皆残酷だ。確かに子供というのはそういうもので、他人の感情やルールなんてお構いなしだから、現実的な描写をしているだけともいえる。それでも、とにかくエゴ丸出しの行動に終始する彼らには感情移入しにくく、それもまたストーリーへの没入を妨げる要因になってしまっている。実子ではない親子関係は米国ドラマでは定番だが、社会背景を理解しないとなかなかついて行きにくいところだ。

全10話のミニシリーズだが、僕の場合1話ごとに離脱を考えながら、なんとか最後まで見たという感じ。そのモチベーションを支えたのは、この事件の背後に何があったのかという制作陣の狙い通りのことだった。最後の場面で「20世紀少年」を思い出したにことは、わかる人にはわかってもらえるはずだ。