【映画】フリーガイ(ネタバレあり)

何の予備知識もなく見たところ、世界観のあまりのごった煮感に最初はがっかりしていたのだが、ゲームの中に入り込んでしまうという設定がわかると一気に面白さが増してきた。何でもありだし、リセットも可能という世界では、こんな感じに時間が進んでゆくのかと妙に納得してしまう。いわゆる「モブキャラ」としてのAIが意思を持ったら、こういうことは十分にあり得るようにも思う。ただ、AIに教え込むデータセットは人間が提供するし、それはディープラーニングだとしても一定の制約はある。現時点では、やはりこの作品の世界観はフィクションなのだと思う。

そしてマーベルファンにとってうれしいのは、キャプテン・アメリカの盾が登場すること。さらには、クリス・エヴァンスがノンクレジットで登場して、一言しゃべるというサプライズがあるので期待してよいだろう。他にもディズニーつながりでライトセイバーも出てくるし、ゲームの運営会社「スナミ(Soonami)」はコナミを意識しているのだろうと思わせるなど、小ネタも満載だ。

俳優陣ではタイカ・ワイティティの怪演もなかなかのものだが、「キリング・イブ」でヴィラネルを演じるジョディ・カマーが何とも魅力的なキャラクターをこなしている。尖ってはいるもののヴィラネルのような敷居の高さはなく、普通に愛されるキャラクターも演じているところにジョディの演技の奥深さが感じられた。