【ルヴァン杯】大分―神戸

大分サポーターにとって、この試合の一番の見どころはGKポープ・ウィリアムとDF刀根の関係だ。2019年の天皇杯3回戦、鹿屋体育大学との一戦で足を痛めていたポープが刀根の不用意なバックパスに反応できずオウンゴールを献上している。ポープの移籍直後のメッセージでもこのことをほのめかし、刀根と一緒にプレーしたら何かが起きると言っていたのだ。しかも、その鹿屋体育大学で刀根にプレッシャーを掛けていたのは、今や大分に加入したFW藤本一輝なので、彼も含めて同じピッチに立っているのが不思議なほどだ。

ユースから昇格した弓場と2種登録の屋敷が起用されたが、ふたりとも持ち味は出していたように思う。イメージ通りに動けなかったのは、経験の差だろう。ただ、つぶされた相手に仕返しのように詰めて行くシーンもあり、若手らしいアグレッシブなところもい見せてくれたのは今後の期待につながる。藤本も特別指定を経ているので、チームへの順応は早いようだ。先制ゴールは相手DFの背後から突如現れており、昨季の広島戦での三平のゴールを思い出した。もっとも、三平は足、藤本は頭という違いはあったのだが…

この試合の一番の収穫は、黒﨑だったように思う。当たりに行く角度やスピード、体の当て方などもセンスを感じた。終盤には細かいミスも見られたが、坂や三竿と組ませても十分機能するのではないだろうか。逆にベテランの長澤と下田は、まだフィットしていない感じ。特に下田は攻撃への効果的な絡みが見られなかったが、昨季の佐藤和弘のような扱いにならないことを祈りたい。