【全国高校サッカー選手権決勝】青森山田―山梨学院

普段は高校サッカーを見ることはないのだが、コロナ禍でステイホーム推奨の状況ということで、準々決勝以降のハイライトをチェックした上で決勝をテレビ観戦してみた。いつも見るJリーグに比べると、スペースが空いている。それはピッチを広く使って運動量でカバーしているともいえるし、寄せが甘いともいえる。監督から授けられたであろう戦術に沿ったパスワーク、チャレンジ精神に満ち溢れた個人技、そういったものは高校サッカーだからこそ目立っていた。

この大会では、ロングスローの是非が話題になっていたようだ。実際に試合を見てみても、長い距離のロングスローは両チームとも大きな武器になっていた。ロングスローの場合、FKやCKとは違ってボールはゴール前の狙った位置にピンポイントで落ちてくる。この「落ちてくる」ことが重要で、キックによる供給よりも、縦の変化がつけやすく狙いやすいのだ。落ちてくることで相手DFをかわすことができるし、叩きつけるヘディングもやりやすい。相手のロングスロー時に、守備側が壁のようなマーカーのようなポジションに1人つけていたが、これはあまり意味がないように思う。中の守備を増やした方が有効ではないだろうか。

青森山田のビルドアップは、ある意味では大分トリニータの攻撃に似ていた。横パスで相手のほころびを探し、サイドで2~3人が連携してクロスを上げるスペースを作る。違うのは決定力だろうか。山梨学院は長いフィードを蹴ってもトップにボールが収まらなかったので、ここが改善できればもっと余裕のある展開、特に逃げ切りができたことだろう。