【全日本フィギュア】男子シングル・フリー

グランプリファイナルが終わり、世界選手権に向けたトールゲートであるはずの全日本フィギュア選手権だが、その位置づけは難しいのだろうか。トップ選手にとっては上位に入って当たり前で、ジュニアや地方の選手には負けたくないという難しさもあるだろう。それにしても、女子に続いて男子も、失敗した宇野を羽生が上回れないという結果に終わった。

見応えがあったのはジュニア勢の争いで、鍵山優真と佐藤駿のパフォーマンスはハイレベルだった。フリーの得点だけで見れば、鍵山は羽生をすら上回っていた。羽生は体と気持ちがうまく整合できなかった印象の演技で、体がついていかないのに気ばかり急いてしまっていたように見えた。ここ数年はケガ等で出場すらできなかった大会だけに、ピーキングが難しかったのかもしれない。

その羽生は、四大陸選手権に出ることを志願したようだ。鍵山に敗れたフリーのままで世界選手権に臨むわけにはいかなかったのだろうか。情報によれば、今回回避した3A+3Aどころではない4回転アクセルを、ソウルのリンクで披露してくれる可能性もあるようだ。さらなる進化に向けたステップとして必要な大会だったと、後から振り返れれば素晴らしい。