ダン・ブラウン「天使と悪魔」とローマ法王

ダ・ヴィンチ・コードがベストセラーになっているダン・ブラウンの作品に、同じ「ラングドン教授」を主人公にした作品「天使と悪魔」がある。この作品では、ローマ法王の死去に伴う次期法王の選出をめぐり、有力候補たちが次々とテロリストの毒牙にかかってしまう。この「法王選出」の手続きはコンクラーベと呼ばれる。まるで「根比べ」のような音の響きだが、決定するまで選出に関わる要人たちはバチカンの一室を出られないという、まさにその通りの内容であるらしい。

僕はダ・ヴィンチ・コード以上に、この作品に惹かれた。ローマの街に仕組まれた暗号や、イルミナティという秘密結社の秘儀といういかにもありどうな「謎」が僕は好きだ。そして、早くダン・ブラウンの次回作を読みたいと思っていた矢先に、ローマ法王の悲報に接することになった。

イタリアでは法王の病状を考慮してサッカーのすべての試合が延期され、世界各地で回復を願う祈りが捧げられたという。これだけ世界中の人々の生活に深く根ざし、現在に至るまで維持されてきたカトリックの組織には悪い噂もつきまとう。しかし、それだけの影響力を持ち続けているということは、それだけ組織としては良くできているのだろう。世界の王朝でこんなに長期に政権を持つことはあり得ないし、いくら伝統ある老舗でも会社の歴史はたかが知れている。宗教とは、人間にとってそれほどに必要なものだったのかと改めて驚くとともに、信仰を持たないことで僕たちが失っているもののことを思わずにはいられない。

ローマ法王ヨハネ・パウロ鏡い里汗袖遒砲△燭蝓⊃瓦茲蠅悔やみ申し上げます。