フジテレビにとっての北尾氏

フジサンケイグループライブドアの抗争もすっかり泥沼化して、ホリエモンも秘書嬢も見飽きてきたよ。世間では、すっかりソフトバンク・インベストメントの北尾氏をホワイトナイトか正義の味方かっていう論調になっているけど、果たしてそうなのか? 僕は堀江氏のやり方自体は否定しないけど、コミュニケーションスタイルの貧困さは好きじゃない。だけど、それは孫正義だって、それほど大差ないと思うんだ。

北尾氏は自信満々なところが、まず馴染めない。昔、クイズ番組「アタック25」でひとりの解答者が「私と同じ回になったんだから、覚悟しなさいよ」みたいな発言をして、すごく嫌な気分になったのを思い出す。北尾氏の発言は、まさにそんな印象だ。

それでは、フジテレビにとって北尾氏はホワイトナイトなのか。違う、と僕は思う。フジは、自分たちの手に負えなくなったから、睨みが効いて自分たちの手を汚さなくて済む「その筋の方」に下駄を預けただけではないだろうか。つまり、総会屋に頼るようなものだと思うのだ。フジ社内にも懸念はあるようだが、「その筋の方」の要求は徐々に大きくなっていくものだ。テレビ朝日をかつて買収できなかたソフトバンクがフジをどう見ているのか、注意しておくに越したことはなさそうだ。