【全豪オープン】錦織―マイクシャク

グランドスラム大会の男子シングルスには、2つの関門がある。ベスト・オブ・5セットマッチであることと2週間緊張感を持って戦い続けなければならないことだ。後者については、ピーキングの難しさにつながる。マイクシャクは明らかにピークをこの錦織戦に合わせてきたが、錦織は少なくともセカンドウィークまで見越して入ったはず、相手をナメていた部分もないとは言わないが、ピークがここにないことが影響していたのだろう。

そして5セットだ。サードセットの冒頭でマイクシャクが痙攣に見舞われたのは、最初のゲームから全力で当たってきたからとも言える。錦織はファイナルセットに強いし、タイブレークにも強い。松岡修造が「錦織タフ」と呼ぶ所以だ。

錦織も決してよくはなかったが、それ以上にマイクシャクが完璧だった。それでも勝てたのだから、モチベーションは湧いてくるはずだ。カルロビッチのようなビッグサーバーには、粘って相手のミスを待つことが重要。ファーストサービスさえ入らなければ、いくらでも戦う術はある。