遠野駅から徒歩5分ほどのところにある「とおの物語の館」には、柳田國男展示館と昔話蔵というふたつの展示スペースがあって、遠野に伝わる民話を映像や音声などで楽しめるほか、日本家屋の設えや美術品を鑑賞することができます。しかし、目玉はやはり、「遠野座」での語り部による民話の口承でしょう。
僕が訪れたのは土曜日の13:00の回でしたが、オーディエンスは僕の他には一人だけ。それでも語り部の菊池さんは、カッパの話や笛吹峠などを20分かけてたっぷり聞かせてくれました。15分前から待っていた僕のために少し雑談もしてくれて、親戚の叔母さんの話を聞いているかのような打ち解けた雰囲気になりました。僕にとっては、とても貴重な体験となりました。
方言で語るので、まったく言葉がわからない部分もありましたが、全体の文脈は十分に伝わってきます。子供相手はやりづらいそうで、「あのおばちゃん、英語しゃべってる」なんて言われてしまったこともあったそうですよ…
