大分トリニータのJ3降格が決まった。高松がPKを蹴るときには入る気がしなかったし、鈴木孝司のPKを武田が止められるとは思えなかった。それがチーム状態だったのは事実だ。スカパーの実況席のコメントがすべてを言い表していたのだが、町田のセットプレーでは全員が引き、逆に大分のセットプレーでは3人を残す。監督は戦況を見ているようで、時計でしか交代の判断ができない。これでは、流れなど変わるはずもなかった。
振り返って考えると、J2の6位からプレーオフを勝ち抜いてJ1に上がってしまったことがすべての間違いの始まりだった。これで田坂前監督が妙な自信をつけてしまい、サポーターも彼の力量を見誤った。そして選手たちは負け癖をつけてJ2に戻り、柳田取締役の相次ぐ補強の失敗が重なって、ついにJ2からも姿を消すことになった。
来季に向けて考えるべきことは、選手の補強よりも監督とGMの人選が大事だということだ。今季の大分は補強の失敗も大きかったが、田坂前監督の解任タイミングを誤ったせいで後任が見つからない事態となっている。青野社長の後任も決まる気がしないが、監督を暴走させないGMと、成功体験を持った監督は不可欠だろう。藤枝のように、タクティクス・ディレクターを置く必要があるかもしれない。