【大分―大宮】自信のない監督は不要

前節、大分銀行ドームでの福岡戦を見て型ができつつあることを感じ、田坂和明解任論をいったん封印していた。そして同時に、選手起用でもう少し我慢して欲しいとも感じた。今節提示された大分の答えは、迷走への第一歩だった。

結果は伴っていないものの、ゴール前での迫力ある攻撃シーンはいくつも見られていた前節。それなのに田坂監督はシステムをいじり、4-1-4-1という昨年もうまくいかなかった形を引っ張り出してきた。その結果、永井龍はベンチを外れた。兵頭も風間もいないスタメンでプレースキッカーを担当したキム・ジョンヒョンのFKは、まったく得点の匂いを感じなかった。唯一評価できるとすれば、DFが本職の選手をサイドバックに据えたことだろう。

ダニエルの退場は、監督の責任とは言えない。しかし、だからといって結論を先延ばしにしたのでは、2009年のシャムスカと同じなのだ。監督が自信を失って迷走するくらいなら、借金をしてでも新しい監督を連れてくるべきだ。いまさらシステムを変えるなら、結果の出ない監督を据えておく必然性などない。

2009年に訪れた大分銀行ドームの東京戦では、エジミウソンが前半に退場し、終盤まで耐えていたがPKを献上して敗れた。監督を交代するのは、監督だけに責任があるからではない。それが一番、チームを変える力を作用させるからだ。クラブも「あの経営難の時期に、戦力も揃えられないのに監督を引き受けてくれた」という恩義は、もう忘れなければならない。