【大分-横浜】未だ自覚のない指揮官

大分が、首位を争うマリノス相手に勝てるようなチーム状態でないことくらいわかっている。それでも大銀ドームには12,000人が集まり、僕はスカパー中継を見た。降格が決定しているにも関わらずにだ。それは、ホームでの勝利という成し遂げることができていない結果を見たかったからに違いない。

森島と高松の欠場は想定外だったが、それにしてもだ。西弘則の1トップでの起用など、あり得ない。普通に考えれば、森島も高松もいないのであれば2トップにすべきだろう。しかし、そこはシステムありきの田坂和昭。できるはずのないポジションを、これまで本職のシャドーでもまったく結果を残せていない選手に求める。システム依存と、それを修正できなかった頑迷さこそが、降格の一番の要因だ。

守備は安定していた。当たり前だ。本職DFが阪田、高木、児玉と3人揃っているのだ。本職DFを一枚だけ起用してMFやFWの選手をストッパーに使う素人戦術を捨ててくれたことは、彼の頑固さを考えれば奇跡かもしれない。ただ、それは降格が決まった後になってのアクションでは、どうしようもないのだが…

シーズンオフを前に、まだ大分トリニータ田坂和昭の今季限りでの退任を決めていない。この期に及んで自分の責任と無策に対する自覚がないのであれば、もう指導者としてのキャリアは難しいだろう。本人のためにも、引導を渡すことは社長の責務だ。