【ウルグアイ戦】始まらない第2幕

コンフェデレーションズカップでの大敗を受けて、東アジアカップメンバーとの融合が図られることを誰もが期待したサムライブルーウルグアイ戦。結果的には、柿谷の可能性に光明を見出しただけだったといえよう。守備の崩壊には歯止めがかからず、DF陣にはバックアップすら特定できていない。吉田と今野ではこの先が思いやられるのだが…

攻撃陣は悪くないようには見えたが、気になったのは本田のプレースタイルだ。彼の役どころは、ボールをキープすることだった。他の選手では作れない「タメ」によって、中盤の選手が押上げ、前線の選手が動き出す時間を用意する。しかし、今日のゲームではザッケローニの指示なのかコンディションの問題なのかは不明だが、キープせずにワンタッチでつなぐことを繰り返していた。柿谷と本田のコンビネーションが馴染んでくれば、ワンタッチでもいけそうな予感はある。しかし、今日の段階では、まだ成果につなげるには早すぎたようだ。

翻って、このゲームの意味を考えてみよう。コンフェデレーションズカップの時点ではすでにウルグアイとのマッチメイクは完了していた。そうでなければ、このタイミングでは、選手と監督に自信をつけさせる顔合わせとすべきだった。つまり、ヨーロッパの中堅国クラスあたりが望ましかった。強豪であることに疑う余地のないウルグアイ相手にドローなら意味はあった。しかし、またしても大量失点してしまっての敗戦では、試合前のザッケローニの「点を取りに行っているのだから、失点は仕方ない」という開き直りは空しく響く。

人材がいないのも確かだろうが、そこを戦術で補えないのであれば、ザッケローニを引っ張る理由はない。このままでは、ブラジル・ワールドカップに向けた「第2幕」は、始まらないまま本大会を迎えることになるだろう。