【国立新美術館】セザンヌ展

土曜日は休日出勤だったので、出勤前に乃木坂の国立新美術館に立ち寄って「セザンヌ―パリとプロヴァンス」を鑑賞しました。年末年始のパリで、グランパレの「マティスセザンヌピカソ スタイン家の冒険」とリュクサンブール美術館「セザンヌとパリ」でセザンヌの作品は堪能していたはずなのですが、今回も新しい気づきがありました。

セザンヌ静物画と風景画に人気がありますが、僕の印象では彼は「3Dを極めようとした」画家なのだと思います。つまり、コントラストに主眼を置いて岩山や人体、静物といったモチーフを描くことによって、立体感を表現したかったのではないかということです。サント・ヴィクトワール山もリンゴも女性の肉体も、濃淡の表現によって凹凸が繊細かつ力強く描かれているのです。彼が最後に使っていたというパレットが展示されていましたが、そこに盛られていた色は黒と茶がほとんどで、ここにもコントラストへの強いこだわりを感じました。

もうひとつの気づきは、エッジが明確なこと。色のエリアが太い輪郭線で区切られていることもセザンヌ作品の特徴です。それらの技法にもっともよく合ったモチーフが岩山であり果実であり、そして人間の肉体だったのだと思います。

http://cezanne.exhn.jp/