【大分-東京V】微妙な勝ち点1

退場者を出して10人になった相手に勝ち切れなかったばかりか、あやうく負けそうになったという意味では「勝ち点2を失った」と言える。しかし、同時にPKを与えておきながら負けずに済んだ点から、「勝ち点1を拾った」と見ることもできる。ある程度の形にはなっていたが、肝心なところで連携ができていなかったことも事実だ。

結局は「連携不足」なのだ。阪田が懸命の1対1でしのいでいるときにヴェルディはサポートに来ていても、トリニータは誰もフォローしない。前田がドリブルで仕掛けても、パスを受ける位置に顔を出す選手がいない。それは前田が結局はひとりでプレーしてしまうからなのか、どちらが鶏でどちらが卵はわからない。それでも田坂監督が起用する選手が固定されつつある中では、チームプレイの成熟に期待したいところだ。

相手が10人になった直後に清水がPKを与え、そしてそのPKをセーブしたのは明らかに一人芝居だったが、あれがあったからこそ大分銀行ドームの観客は結果に落胆せずに済んだのかもしれない。トリニータにとって重要な観客動員、その素になる顧客満足に効果があったのなら、それはそれでよかったのだろう。