【映画】塔の上のラプンツェル

これもJALの機内で見たものです。主人公のラプンツェルが登場する舞台は中世なのに、いかにも現代風な風貌や表情なので、違和感が拭えませんでした。ぬいぐるみなどの商品にしたときには映えそうですが… そして話の展開に入り込みにくいのは、冒頭で主人公が親元から引き離されるまでのくだりが、ダイジェストのような描写になっているからでしょう。「悲劇」らしさを感じる要素が、薄められてしまっているんですよね。

グリム童話の初版では、ラプンツェルが王子を部屋に招き入れて深い仲になってしまうそうなのですが、その後の改訂版ではそのあたりの性的な描写がカットされたとのこと。日本の童話もそうですが、結構どぎつかったり生々しかったりうるものです。子供も案外普通に、そんな内容を受け止めるということを忘れがちなのですが…

この作品では、ディズニーらしく動物を主人公にからめたり、フリン・ライダーというヨーロッパっぽくない名前のヒーローが登場したりと仕掛けは満載です。ただ、若干話の焦点がぼけてしまっているようにも思います。もっとシンプルに描いてもよかったのではないでしょうか。なんとなくミュージカル化を視野に入れているようにも見えますね。なお、原題の「Tangled」は「もつれた、からまった」「複雑な」という意味ですが、こちらも漠然としすぎているような気がします。

http://www.disney.co.jp/movies/tounoue/