【人事の話】エンゲージメントとは

人事の世界ではこの5年くらいで急速に、「エンゲージメント(engagement)」という考え方が広まってきています。エンゲージと聞くと「エンゲージリング」を思い出す方も多いと思いますが、もともとの意味は婚約とか結びつくこと、噛み合うことということになります。人事用語としては「会社が社員とより深く結びつくこと」によって従業員満足度を上げ、定着率を上げようとする施策の体系という意味です。

日本でも労働市場は流動化し、転職が当たり前の社会情勢になってきました。職場環境が悪かったり、将来のキャリアビジョンが得られない企業には、社員はとどまってくれないのです。そんな中で、自社を差別化する重要な切り札として、エンゲージメントを考える企業が増えてきているのです。

これを実現する上で鍵になるのが、中間層のマネージャーたち。部下の働きぶりや現場の声をきっちりと上層部に伝えたり、経営の意向をブレイクダウンして部下に伝えることも重要な役割です。最も重要なのは、マネージャーたちが現場の社員にとっては「会社」と同義であること。マネージャーの発言は「会社の指示」なのです。だからこそ、彼らがちゃんと社員の行動を見てあげていれば、「会社が見てくれている」という安心感につながります。エンゲージメントの実現には、マネージャー層の意識改革と行動変革が欠かせないのです。