【三菱一号館美術館】マネとモダン・パリ展

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4月6日、東京・丸の内に「三菱一号館美術館」がオープンしています。今日はオープニングを飾る「マネとモダン・パリ展」を鑑賞してきました。混んでいるだろうとは予測していましたが、やはりかなりの混雑でした。美術館は上質な空間で雰囲気もあるので、常設展示のハコとしてならかなり高得点なのですが、企画展のように多くの来館者がある状況では厳しいです。

狭い通路は、通り抜けができないくらいに混みあっているし、両側に展示があるエリアは特に大渋滞でした。チケット販売や誘導などのオペレーションはとてもうまく行っているだけに、これからの展開には期待したいところですが、導線の最後をショップに無理やり持ち込む手法はいい加減やめてもらいたいですね。

さて、展示についてですが、それほど目を惹く作品は多くありません。前にも見たことがあるオルセー所蔵の「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」の秀逸さが光ります。これだけの作品を見てマネの傾向を考えるに、彼のデッサン力には大きな問題があるのではないかと思うのです。ディテイルにこだわろうとすればするほどイラストっぽくなり、デフォルメされたような線になってしまいます。そして、描く素材がルノワールやモネのようには美しくないし、明確な狙いも見受けられません。そんな中、ベルト・モリゾの描き方には思い入れのようなものが見え隠れしていて、モデルとして「別格」だったのではないかと思わされました。