【百万円と苦虫女】演技は素晴らしい

WOWOWで放送されたタナダユキ監督の「百万円と苦虫女」。主演の蒼井優森山未來は好演しているけれど、どうも物足りなさが拭えません。前半はまさにロードムービー。海の家や桃農家に住み込んで生活する鈴子(蒼井優)の、微妙なミスマッチ感がうまく描かれています。

しかし後半、とある地方都市のホームセンターでアルバイトを始めた鈴子が中島(森山未來)と出会うあたりから、話がありきたりなラブストーリーになってしまうのです。ロードムービーだという気持ちで、スケールの大きな展開を期待してしまうと、意外にもせせこましいストーリーに萎えてしまいます。中島が鈴子にお金を借りる理由も、あとで明かされれば「なるほど」と納得できますが、見ている最中に不自然さばかりが目につきます。

この作品、監督のタナダユキが脚本も担当しているだけに、まさにこれが彼女の世界なんでしょうね。そういう意味では、非常に「日本的」だなとは思います。映画の出来としては、まだまだ伸びしろがあるんでしょうね。

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