【リリーアレン】It's not Me, It's You.

ここ何回か新しいCDを仕入れに出掛けながら収穫なく帰宅していましたが、ようやく渋谷のタワーレコードで新ネタを発見しました。それがLily Allenの"It's not Me, It's You"です。彼女は、ジャンル的にはブリティッシュ・ポップ。業界関係の両親の下で育った「かわいいお嬢さま」という印象があります。

正直言って彼女のボーカルは決してうまくありません。ブレスの入れ方やノリなども素人っぽいし、たどたどしささえ感じさせてしまうのです。しかし、このアルバムの出来は、そんなマイナスを乗り越えてしまうほどです。プロデューサーのグレッグ・カースティンの力量か、アレンジが素晴らしい。打ち込み系の切れ味鋭いドラムスに小気味良いベースラインが乗って、グルーブ感が満載なのです。リリーの下手なボーカルを、うまくディレイ気味の魅力に仕立て上げた#6"Back to the Start"は秀逸です。

ただ、後半ネタ切れ気味になってしまったことと、カントリーやタンゴのフレイバーで変化をつけようとして失敗しているのはご愛嬌でしょうか… ボーカルの存在感が薄い分、ノリに浸りきることができる一枚です。

http://www.emimusic.jp/artist/lilyallen/?id=53391