【ワールドユース】PK戦12人目でオランダ散る

延長も含めた120分は、意外なほどに静かな展開だった。前半開始早々にナイジェリアが先制した迫力ある波状攻撃や、後半序盤のオランダのセットプレーからの同点弾を見ていると、ゴール前のシーンがもっともっとあってもおかしくない試合だったのだが。やはり選手たちには、連戦の疲れがかなり残っているのだと思う。特にオランダは、開幕の日本戦(の前半)にピークが来てしまったのではないだろうか。身体能力は持ち合わせながらも、それだけではなかなかチャンスは作れない。

そして突入したPK戦は、5人蹴って4-4でサドンデスへ。この時点までナイジェリアのキッカーは5人全員が利き足の反対側に蹴った。つまり右足で蹴る選手は、ゴールの向かって左へ。しかし、オランダGKのフェルメールは4人目しか止められなかった。これ以降、オランダ選手の方がホームの厳しいプレッシャーを背負っている様子が見て取れるようになる。7人目がともに外した意外は、11人目のGK対決まで全員が決めて2巡目に入ってしまった。スカパー実況の倉敷保雄さんも、2巡目のPK戦を実況するのははじめての経験だと言っていたほど貴重な場面だった。

2巡目の最初のキッカー、オランダのコリンズ・ジョンが集中力を取り戻せなかったかのように外して万事休した。やはり若い世代は、頑強そうに見えてもメンタル面では鍛えられていなかったということか。準決勝は南米対決とアフリカ対決なので、必然的に決勝は南米対アフリカだ。気持ちの強さということも、この世代を勝ち抜く要素なのかもしれない。