【OLにっぽん】阿部サダヲに期待

今回のクールのドラマで期待していたのは、阿部サダヲ主演の「OLにっぽん」です。会社の業務を中国など低賃金の地域にアウトソースするのは、すでに大きな流れ。中には事務処理だけではなく、コールセンター機能まで日本語の堪能な中国人が対応するケースも出てきています。そんな時勢に乗ったタイムリーの作品なのですが、いかんせん日本の連続ドラマ。初回放送ではいきなり阿部サダヲにカンフーシーンをやらせるなど、彼のキャラを立てることに力を使いすぎ、リアリティを削いでしまっています。

他にもリアリティを感じないのが、中国人研修生と観月ありさ演じるOLの日本語入力競争や、それをはやし立てるくらいヒマな総務部の姿。さらには「総務のアウトソース」が決まっていながら対象業務を当該部門の担当者が決めるなんて、現実のまともな企業ではあり得ません。

そんな相変わらずの制作スタンスは置いても、出演者のキャラクターと演技は見ものです。阿部サダヲは当然として、浅野ゆう子演じる関西弁の総務部長もいかにもいそうでおかしいです。観月ありさがどうしても「斉藤さん」に見えてしまうのも困り物ですが、今後の展開には十分期待できそうです。

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