六本木の国立新美術館とサントリー美術館で、ピカソ展が同時開催されています。国立新美術館は「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」、サントリーには「巨匠ピカソ 魂のポートレート」というタイトルがつけられており、パリの国立ピカソ美術館の改装に合わせた巡回のおかげで、約230点というたくさんの作品を見られる機会になっています。
国立新美術館は年代順になっているので、ピカソがキュビズムの影響を受け、そこから自分の画風を確立していく流れがとてもよくわかります。キュビズム時代の彼は、なんとなく友人であるブラックの模倣のような印象を受けますが、そこから新古典主義のデフォルメされた写実を経て、華やかな色彩を活かした画風を確立するまでの変遷をしっかり見せてくれています。非常にわかりやすい展覧会で、キュレーターの努力がうかがえますね。
一方のサントリー美術館では、作品数は少ないものの、ピカソの写実の美しさを堪能できます。一番気に入ったのが、こちらに展示されていた「ピエロに扮するパウロ」でした。こちらは自画像中心で画風は混在しているので、まず国立新美術館を見てからサントリーという流れがお勧めです。
ちなみに、片方の半券提示で、もう一方の展覧会が200円引きになりますよ。
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