【ナビスコ準決勝】守り切った大分

ボランチの吉村を下げてFW巻を投入する。さらにはDF吉田を入れて前線に張りつける。バヤリッツァが最前線まで上がる。ストイコビッチの取ったなりふり構わぬパワープレイは、90分を過ぎアディショナルタイムの5分が過ぎても愚直なまでに繰り返された。それでも大分は、完全にフリーになったウェズレイが叩き込んだゴールの1点を守り切った。

長い長いアディショナルタイムだった。岡田正義主審の笛が鳴った瞬間、ベンチのシャムスカはガッツポーズの後にスタッフや選手と抱き合う。ウェズレイの笑顔が弾け、試合に出なかった小林亮や前田、清武も飛び跳ねている。試合後のインタビューでシャムスカが「家族の絆」と語ったものが、そこにはあった。

<GK>下川:6(危ない場面もあったが)
<DF>深谷:6(粘り強く対処)、森重:6.5(体張った守備)、上本:6(コーチングにも気配る)
<MF>高橋:6(サイド攻撃の基点に)、藤田:5.5(やや荒さが気になる)、ホベルト:6.5(CKでヨンセン封じる)、鈴木:6(絶妙アシスト)、金崎:6.5(手薄な攻撃をカバー)
<FW>森島:6(ファーストポストとして機能)、ウェズレイ:7(攻守に大活躍)
<SUB>小林宏:6(しつこい守備)、松橋:評価なし、西山:評価なし
※清水、小林亮、清武、前田は出場せず
<監督>シャムスカ:6.5(守り切る交代が奏功)

これでいよいよ、決勝の国立競技場だ。高松とエジミウソンの負傷、金崎のアジアユース選出が気になるところだが、家長の復帰も含めできるだけベストに近い状態で臨めることを祈る。そしてリーグ戦も、次節はアウェイの浦和戦。これからが、大分の真価を問われるのだ。