【ロートレック展】パリのエスプリ

正直言って、アンリ・ド・トゥールーズロートレックの描く絵画それ自体は、それほど好きではありません。足が悪いことと、見てくれが悪いことにコンプレックスを抱いていたと言われる彼の描く人物は決して美しくなく、何か屈折した世界観を感じさせるのです。

しかし、彼の織り成す色彩には惹かれてしまいます。絵画というよりは、イラストの元祖と呼んでもよさそうな画風のロートレックは、抑え目の原色に白を効果的に配したコントラストが見事です。現代でもフランスのサッカークラブのユニフォームやパリで見かける広告にも通じる、フランスらしいエスプリにあふれているのです。僕がサントリー美術館を訪れたのも、まさにそんな雰囲気に浸りたいからでした。

土曜日の夕方でしたがかなり混んでいました。彼の細かい描写を見せるため、そしてバリアフリーを意識してか展示位置が低いので、混雑している時間帯には絵画全体を楽しむことができません。僕が鑑賞していた時間にも車椅子の人が絵を楽しんでいたので、そういった配慮も評価したいところではありますが。もうひとつ気になったのは、入場券販売担当者がとても事務的なこと。来館者を迎えるというホスピタリティは、まったく感じませんでした。

水曜日から土曜日までは夜8時まで開館しているので、平日の昼間が狙い目かもしれません。東京ミッドタウンの中なので、ショッピングや食事と組み合わせればより楽しめると思います。

http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol01lautrec/index.html