【北京予選】良くも悪くも水野

よい時間帯で得た、唯一の得点。それは水野のフリーキックディフェンダーとGKの間と言う、守る側にとって一番嫌なところに蹴りこまれたことで生まれた。この意味で、水野晃樹はヒーローだった。しかし、彼はやり過ぎた、ほとんどのセットプレー、左足の柏木が蹴った方がよさそうな場面でも自分が蹴り、逆サイドのスローインまでロングスローを入れる。これではバランスを崩すのは当たり前だし、右サイドを駆け上がろうとする内田が生かせない。

本田拓也の退場で、バランスを保つことを意図するなら水野を下げるべきと思ったが、反町監督はその通りの采配をしてくれた。この日の裏のヒーローは、前線で運動量を惜しまずにプレスを掛け続けた森島と柏木だ。平山のスタメン起用は、また一歩遠ざかったと言えよう。

北京オリンピック最終予選に先立って行われた昨日のなでしこジャパン女子ワールドカップ初戦ではロスタイムに宮間が2本目のフリーキックを決め、A代表のスイス戦でもロスタイムに勝ち越し点を挙げた。僕の持論では、「山岸、羽生、矢野が代表に名を連ねなければならない情況では日本は強くなれない」はずなのだが、その山岸のクロスから中村憲剛のシュートのはね返りを矢野が押し込んでの決勝点は、実に小気味良かった。日本もいろいろなカテゴリーにおいて、厳しい局面での戦い方が備わってきたと言える昨日から今日にかけての3試合だった。