【スパイダーマン3】B級エンタメの極致

もともと「スパイダーマン」は人間がボディスーツを着ているだけなので、キャラクター的にもそんなに「スーパー」なものじゃないですよね。この作品でも、マスクが破れて顔が見えたり、マスクを外して美女とキスしたり(それを恋人に見られてスネられるんだけど)と人間味にあふれています… 話の展開も「家族」が中心ですからね。

だけど、この作品は非常にわかりにくい。というのも、スパイダーマンが謎の黒い生物に憑りつかれた後で黒いスーツのニューゴブリンが登場し、最後は敵(ヴェノム)が黒いスーツと、「黒」が何かの一貫したモチーフなのかどうかがよくわからないのです。普通のヒーローものは、スパイダーマンが赤黒だったら敵は黒一色とか、二項対立的にわかりやすい設定がされているものですが…

主役のトビー・マクガイアもキャラが濃い方ではないし、ハリー(ニューゴブリン)とエディ(ヴェノム)も見分けがつかないし、誰が誰かよくわからないうちに終わってしまったという印象です。CGを使ったアクションはそれなりに見応えがあるだけに、脚本と美術の部分のコンセプト不足が残念です。それでも過度に安っぽくならずに見せてしまうところは、さすがにB級エンタメの極致と言えそうです。

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