【見比べ】ディパーテッド/カジノロワイヤル

サスペンス映画で最近DVDが発売になった2作品、「ディパーテッド」と「007/カジノ・ロワイヤル」を見比べてみました。どちらかというと007に期待していたのですが、率直に言ってしまえばディパーテッドの完勝です。それは監督の差であり俳優の差でもあり、そして総合的に見ても明らかでした。

007の本作は、カジノが舞台だからというわけでもなさそうですが、とにかく出演者に表情がないのです。感情移入もし難いし、ダニエル・クレイグが演じる主人公ジェームズ・ボンドは「かっこいい諜報員」ではなく「ただのエロオヤジ」にしか見えません。展開もあまりにも都合が良すぎるし、007らしい知的なアクションシーンも不足していました。見どころは、舞台となるバハマモンテネグロヴェネツィアの風景でしょうか。

一方のディパーテッドは、サスペンス映画に欠かせないどんでん返しもあるし、レオナルド・ディカプリオマット・デイモンが相対する上にジャック・ニコルソンも好演しています。何よりも本作でオスカーを獲得したマーティン・スコセッシ監督の人物の見せ方や展開、プロットのつなぎ方などは絶妙です。最初のうち、ディカプリオとデイモンの位置づけが判りにくかったのですが、後半にはそのあたりもはっきりしてきました。

順番として007→ディパーテッドで見て正解でした。逆だったら、007は最後まで見ていられなかった可能性が大です。ただ、ディカプリオの演技だけ取り上げるならば、ディパーテッドよりブラッド・ダイヤモンドの方が明らかに上だったと思います。

ディパーテッドのHP>
http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/

007/カジノ・ロワイヤルのHP>
http://www.sonypictures.jp/homevideo/casinoroyale/index.html