【マダガスカル】深いテーマを軽く

この作品は飛行機の機内で字幕なし・英語音声で見ただけだったので、字幕つきで見る機会を待っていました。英語だけでは聞き逃す部分もあるし、聞き取れてもどうしてもわからない箇所もありますからね。

ライオンやペンギンの表情がモンスターズインクのような人間臭さで、これだけでも楽しめます。マダガスカルに暮らす野生の動物たちが見せる素朴だけどワイルドな表情と、ニューヨークの動物園暮らしが身についてしまったアレックスたちを比較してみると、なるほどと思わされます。動物たちを主役で描いていますが、移民大国アメリカの素顔を置き換えていると考えれば、なかなか深いストーリーですね。心の故郷にはもはや順応できないという事実が彼らのアイデンティティになっていく辺りは、都会で暮らす日本人にも通じるのではないでしょうか。

自分たちの「遠い故郷」ともいえるマダガスカルで「自分たちはニューヨーカーだ」ということを痛感し、結局は人間というシステムを頼ってしまうところは、笑っては済まされないくらい考えさせられます。そんな堅い背景を意識しながら美しい映像と音楽に浸ると、また違う楽しみ方ができそうです。

http://madagascar.jp/