【クラブW杯】テルは必要だったか?

クラブワールドカップが日本で開催されているが、ご存知岩本輝雄オセアニア代表チーム・オークランドシティの一員として、2試合に途中出場した。岩本は名古屋在籍中のケガによって、2年間もピッチから離れていた選手で、大会後の引退まで表明している。どう見ても、開催国日本のファン対策、もっと言えば「観客動員」のための駒のように見えた。

昨年、同じオセアニア代表のシドニーFCにレンタル移籍したカズこと三浦知良は、年齢はかさんでいたがバリバリの現役で、オーストラリアのAリーグでも確実に戦力として貢献していた。一方のテル。ニュージランドに渡ってからもケガで戦列を離れるなどで貢献できず、初戦のアルアハリ戦でもベンチスタートとなった。後半から登場して、確かにセットプレーでは見せ場を作った。しかし、途中出場なのに運動量はスタメンで疲れているはずの選手よりも少なく、「おいしいところをもらう動き」にしか見えなかった。

今日の全北現代戦でも、3-0となってからは他の選手たちの「花をもたせよう」という厚意すら感じた。アマチュアチームであるオークランドにとって、岩本の経験は決してマイナスではなかったと思う。しかし、本来これだけの権威を持って行われる大会に「ゲスト」が必要なのだろうか。大会組織委員会が来年の開催国出場枠提案を決定したのは、この疑問を解消する方策のようにも見える。

試合後のインタビューで「即引退」を撤回したテルだったが、この大会が彼にとって、またFIFAやサッカー界にとっても何らかの教訓として生きれば、テル移籍の意味が見出せるはずだ。