【志村けん】一座旗揚げ公演は

「あるある2」にも出演し、キリン淡麗グリーンのCMではドリフをモチーフにしたと思われる外国人に「いいんだよ!」と一発ギャグで決める志村けん。そんな彼が「志村けん一座」を旗揚げし、公演をWOWOWで中継してくれたので、チェックしてみた。

序盤は、昔ながらの定番ネタの「バカ殿」などをダチョウ倶楽部らと絡んで見せてくれたのだが、これがいかにもしまらない。家老役の地井武男が目新しいけど、イマイチ役に入り込めていない。ダチョウのネタは滑りまくりでは、志村もやり辛かっただろう。コントはラサール石井や、下北サンデーズにも出演しているケラが書いたらしいが、全員集合の二番煎じの感は否めなかった。かつてはドリフの一員として、そしてその後は田代まさしをうまく使って自分の味を引き出した志村も、ダチョウ倶楽部では足を引っ張るばかり。

これでは生で公演を観た人はがっかりしただろうと思っていると、最後に藤山寛美の喜劇「一姫二太郎三かぼちゃ」で笑わせ、そして泣かせてくれた。バカ息子の役で笑いを誘いながら、人情噺で泣かせるところはさすがにベテランだ。アンコールで「変なおじさん」もやっていたが、「アイーン」も含め、回りが過去の遺物を期待していることに志村自身もジレンマを感じているのではないだろうか。志村の目指す笑いは、もはや違うところにあるのだと感じさせてくれた公演だった。